『 草上の昼食 』

川上 弘美作

デビュー作『神様』の続編と言うか、完結編。ほんの短いストーリーなのにいつまでも情景が思い出される。くまから届く手紙がとても切ない。川上弘美の作品は匂いがしないなぁと思う。でも色は浮かぶ。するする読めて、いつまでもまぶたの裏に色が残り、思い出しては何度も読むのだ。 (文庫本『神様』に収録)